冬越し奮闘記 - るりおかかの気まぐれブログ
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2015/02/02

オカヤドカリ冬越し奮闘記:新設備ウォーターバス編

 オカヤドカリの飼育には、保温(冬場25℃)+保湿が必要です。パネルヒーターピタリ適温では、冬場の保温の苦労は絶えませんでした(オカヤドカリ冬越し奮闘記:ピタリ適温編)。そのうえ、さらに寒い豪雪地域:秋田県に引っ越すことになってしまいました。そこで、新設備「ウォーターバス」を思いつきました。
 ウォーターバスとは、加熱器具の一つで、金属製器具に満たした水を加熱し、その中で物体を間接的に加熱する、というものです(大辞林 第三版より)。私が大学の海洋生物関連の研究室にいた頃、貝の幼生を飼育していたときに用いた方法です。水槽に水を張り、観賞魚用ヒーターで必要温度に保温し、その中に飼育ビンを投入して幼生を飼育していました。恒温に保つのには非常に効率的な方法です。この方法をオカヤドカリ飼育に活用できないかと思いました。
 大きい水槽に水を張って保温し、その中にオカヤドカリ飼育水槽を投入して温める方法でいけるのではないか。私は、その2つの水槽の組み合わせを探し歩きました。見た目の面、蓋を開け閉めするとき等の利便性を考えますと、2つの水槽のサイズ差はできる限り少ない方がいいようです。そして行き着いた水槽が、金魚のお部屋ブラックL GF-BLK(39.8×25.4×28cm)ジェックス マリーナ MR45OB(45×30×30cm)でした。

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 45cm水槽に水を張り、観賞魚用ヒーターで温めます。そこに39.8cm水槽(オカヤドカリ飼育水槽)を入れます。張る水の量が多過ぎると飼育水槽が浮いてくるので、浮くギリギリまで水を張ります(水槽全体に水を張るのが理想ですが、それでも効果十分です)。真冬の秋田県でも、ヒーターの設定27℃で、飼育水槽は24~25℃に保つことができました。
この方法のメリットは大きいです。

●乾燥しづらい:ピタリ適温とは比べ物にならない保湿力。霧吹きはほとんどいらないため、一週間程度の長期外出も問題ありません。
●脱皮で一番重要な「砂」がキッチリ温まる:ピタリ適温を水槽側面、蓋裏に貼った時は、砂が温まっているか不安でしたが、この方法だと砂全体がキッチリ温まります。
●砂の湿り具合が絶妙に調整:表面が乾燥し、少し掘ればしっとりとする。まさに私が求める理想の環境に保たれます。
●温度が極めて安定:部屋の温度変化にほとんど影響されずに水槽内の温度を一定に保ってくれます。


その一方でデメリットは、
●設置、撤去が面倒くさい
くらいです。設置は秋、撤去は春、それぞれ年一回だけなので、私はそれほど負担に感じていません。

 また、温度が安定するためなのか、冬場でもオカヤドカリの食欲が落ちなくなり、そのためか成長も早くなった感じがします。それに、ピタリ適温を使用していた時のように水槽をタオルでグルグル巻きにしなくていいので、水槽内がある程度見えるため気分的にも違います。この設備を設置して以来、オカヤドカリ飼育が格段に楽になり、最初からこの方法にしておけばよかったとつくづく思う今日この頃です。この保温方法は、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。

オカヤドカリ:ウォーターバス全体図
ウォーターバス設備:全体図


オカヤドカリ:ウォーターバス横図
ウォーターバス設備:横から 観賞魚ヒーターで水を温め、エアレーションで回す。水温は、サーモスタットで管理。


オカヤドカリ:ウォーターバス正面図
ウォーターバス設備:上から 2つの水槽の縦横高さのサイズ差はあまりない、ギリギリ。だからこそGOOD!


オカヤドカリ:ウォーターバス蓋1
蓋は、まず、オカヤドカリ飼育水槽に蓋(付属品)をする


オカヤドカリ:ウォーターバス蓋2
次に、45cmの恒温水槽に蓋(自作:中央に穴をあけてある)


オカヤドカリ:ウォーターバス蓋3
最後に、断熱材(中央に穴をあけてある)
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2015/01/27

オカヤドカリ冬越し奮闘記:ピタリ適温編

 オカヤドカリは、寒さに弱く、15℃以下が続くと死んでしまいます。また、鰓呼吸で鰓が常に湿ってなければならないため、乾燥にも弱いです。水槽内の湿気を保ちつつ、温度を25℃付近に保つことが、オカヤドカリ飼育における大きなポイントといえます。
 かつて、その保温にパネルヒーター「ピタリ適温」を使っていた時、私にとって冬場の管理は大変なものでした。保温すればするほど、水槽内は乾燥しました。保温と保湿の両立は難しく、爬虫類用の保温電球では、乾燥しすぎて保湿とは程遠く、論外でした。結局、空気を乾燥させにくい点でピタリ適温に行きくのは、オカヤドカリ飼育者にとってそれは必然といえるかもしれません。
 しかし、このピタリ適温、保温力が弱く、水槽の側面や蓋裏面や底面に一枚貼ったところで、効果が得られませんでした。思考錯誤した結果、水槽の2~3側面に貼り(枚数は時期によって調整)、さらに毛布で飼育ケースをグルグル巻きにすることで、ようやく真冬でも20℃以上を保つことができました。
 しかし、沢山張った故か乾燥が激しくなったため、水槽の蓋の上に濡れタオルを乗せてみました。ある程度は改善されましたが、ピタリ適温を貼った水槽側面付近の砂からジリジリと乾燥したため、朝晩霧吹き・濡れタオル交換は欠かせませんでした。心配なのは長期外出でした。私は仕事上、1週間程度の泊まりの長期外出が多かったため、霧吹きができない日も多かったです。脱皮時は常に不安がつのり、もし、潜ったところが水槽の側面付近(ヒーター付近)で、そこの砂が乾燥して脱皮室が崩れたらと思うと・・・。さらに、脱皮と長期外出が重なったら・・・・・ひいい!
 私は、かつては神奈川県横浜市に住んでいました。部屋の温度は早朝で7℃程まで下がり、昼間は日光が入り20℃近くまで上がりました。いかにピタリ適温に温度制御機能がついていても、この温度差にはなかなか対応できず、水槽内の1日の温度変化は激しかったです。砂の乾燥、長期外出(霧吹きできない)、脱皮室の崩れ、激しい温度変化。多くの不安を抱えながら、オカヤドカリを飼い始めて約6年間、かろうじてそれで乗り切ってきました。
 ある日転機が訪れました。仕事で秋田県に住むことになりました。神奈川県よりも遥かに寒い秋田県、現時点で手一杯なのにどうすれば・・・。

 そこで、新設備:ウォーターバスを思いつきました。
  オカヤドカリ冬越し奮闘記:新設備ウォーターバス編