オカヤドカリ冬越し奮闘記:新設備ウォーターバス編
オカヤドカリの飼育には、保温(冬場25℃)+保湿が必要です。パネルヒーターピタリ適温では、冬場の保温の苦労は絶えませんでした(オカヤドカリ冬越し奮闘記:ピタリ適温編)。そのうえ、さらに寒い豪雪地域:秋田県に引っ越すことになってしまいました。そこで、新設備「ウォーターバス」を思いつきました。
ウォーターバスとは、加熱器具の一つで、金属製器具に満たした水を加熱し、その中で物体を間接的に加熱する、というものです(大辞林 第三版より)。私が大学の海洋生物関連の研究室にいた頃、貝の幼生を飼育していたときに用いた方法です。水槽に水を張り、観賞魚用ヒーターで必要温度に保温し、その中に飼育ビンを投入して幼生を飼育していました。恒温に保つのには非常に効率的な方法です。この方法をオカヤドカリ飼育に活用できないかと思いました。
大きい水槽に水を張って保温し、その中にオカヤドカリ飼育水槽を投入して温める方法でいけるのではないか。私は、その2つの水槽の組み合わせを探し歩きました。見た目の面、蓋を開け閉めするとき等の利便性を考えますと、2つの水槽のサイズ差はできる限り少ない方がいいようです。そして行き着いた水槽が、金魚のお部屋ブラックL GF-BLK(39.8×25.4×28cm)とジェックス マリーナ MR45OB(45×30×30cm)でした。



45cm水槽に水を張り、観賞魚用ヒーターで温めます。そこに39.8cm水槽(オカヤドカリ飼育水槽)を入れます。張る水の量が多過ぎると飼育水槽が浮いてくるので、浮くギリギリまで水を張ります(水槽全体に水を張るのが理想ですが、それでも効果十分です)。真冬の秋田県でも、ヒーターの設定27℃で、飼育水槽は24~25℃に保つことができました。
この方法のメリットは大きいです。
●乾燥しづらい:ピタリ適温とは比べ物にならない保湿力。霧吹きはほとんどいらないため、一週間程度の長期外出も問題ありません。
●脱皮で一番重要な「砂」がキッチリ温まる:ピタリ適温を水槽側面、蓋裏に貼った時は、砂が温まっているか不安でしたが、この方法だと砂全体がキッチリ温まります。
●砂の湿り具合が絶妙に調整:表面が乾燥し、少し掘ればしっとりとする。まさに私が求める理想の環境に保たれます。
●温度が極めて安定:部屋の温度変化にほとんど影響されずに水槽内の温度を一定に保ってくれます。
その一方でデメリットは、
●設置、撤去が面倒くさい
くらいです。設置は秋、撤去は春、それぞれ年一回だけなので、私はそれほど負担に感じていません。
また、温度が安定するためなのか、冬場でもオカヤドカリの食欲が落ちなくなり、そのためか成長も早くなった感じがします。それに、ピタリ適温を使用していた時のように水槽をタオルでグルグル巻きにしなくていいので、水槽内がある程度見えるため気分的にも違います。この設備を設置して以来、オカヤドカリ飼育が格段に楽になり、最初からこの方法にしておけばよかったとつくづく思う今日この頃です。この保温方法は、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。

ウォーターバス設備:全体図

ウォーターバス設備:横から 観賞魚ヒーターで水を温め、エアレーションで回す。水温は、サーモスタットで管理。

ウォーターバス設備:上から 2つの水槽の縦横高さのサイズ差はあまりない、ギリギリ。だからこそGOOD!

蓋は、まず、オカヤドカリ飼育水槽に蓋(付属品)をする

次に、45cmの恒温水槽に蓋(自作:中央に穴をあけてある)

最後に、断熱材(中央に穴をあけてある)
ウォーターバスとは、加熱器具の一つで、金属製器具に満たした水を加熱し、その中で物体を間接的に加熱する、というものです(大辞林 第三版より)。私が大学の海洋生物関連の研究室にいた頃、貝の幼生を飼育していたときに用いた方法です。水槽に水を張り、観賞魚用ヒーターで必要温度に保温し、その中に飼育ビンを投入して幼生を飼育していました。恒温に保つのには非常に効率的な方法です。この方法をオカヤドカリ飼育に活用できないかと思いました。
大きい水槽に水を張って保温し、その中にオカヤドカリ飼育水槽を投入して温める方法でいけるのではないか。私は、その2つの水槽の組み合わせを探し歩きました。見た目の面、蓋を開け閉めするとき等の利便性を考えますと、2つの水槽のサイズ差はできる限り少ない方がいいようです。そして行き着いた水槽が、金魚のお部屋ブラックL GF-BLK(39.8×25.4×28cm)とジェックス マリーナ MR45OB(45×30×30cm)でした。
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45cm水槽に水を張り、観賞魚用ヒーターで温めます。そこに39.8cm水槽(オカヤドカリ飼育水槽)を入れます。張る水の量が多過ぎると飼育水槽が浮いてくるので、浮くギリギリまで水を張ります(水槽全体に水を張るのが理想ですが、それでも効果十分です)。真冬の秋田県でも、ヒーターの設定27℃で、飼育水槽は24~25℃に保つことができました。
この方法のメリットは大きいです。
●乾燥しづらい:ピタリ適温とは比べ物にならない保湿力。霧吹きはほとんどいらないため、一週間程度の長期外出も問題ありません。
●脱皮で一番重要な「砂」がキッチリ温まる:ピタリ適温を水槽側面、蓋裏に貼った時は、砂が温まっているか不安でしたが、この方法だと砂全体がキッチリ温まります。
●砂の湿り具合が絶妙に調整:表面が乾燥し、少し掘ればしっとりとする。まさに私が求める理想の環境に保たれます。
●温度が極めて安定:部屋の温度変化にほとんど影響されずに水槽内の温度を一定に保ってくれます。
その一方でデメリットは、
●設置、撤去が面倒くさい
くらいです。設置は秋、撤去は春、それぞれ年一回だけなので、私はそれほど負担に感じていません。
また、温度が安定するためなのか、冬場でもオカヤドカリの食欲が落ちなくなり、そのためか成長も早くなった感じがします。それに、ピタリ適温を使用していた時のように水槽をタオルでグルグル巻きにしなくていいので、水槽内がある程度見えるため気分的にも違います。この設備を設置して以来、オカヤドカリ飼育が格段に楽になり、最初からこの方法にしておけばよかったとつくづく思う今日この頃です。この保温方法は、一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。

ウォーターバス設備:全体図

ウォーターバス設備:横から 観賞魚ヒーターで水を温め、エアレーションで回す。水温は、サーモスタットで管理。

ウォーターバス設備:上から 2つの水槽の縦横高さのサイズ差はあまりない、ギリギリ。だからこそGOOD!

蓋は、まず、オカヤドカリ飼育水槽に蓋(付属品)をする

次に、45cmの恒温水槽に蓋(自作:中央に穴をあけてある)

最後に、断熱材(中央に穴をあけてある)
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コメント
自分も今年から飼い始めたのですがこの方法は目から鱗でした(●´ω`●)
是非参考にさせていただきます!
2015-12-18 01:31 一見の名無し URL 編集
Re: タイトルなし
こんばんは
これを知ると、今までのピタリ適温は何だったんだの?と思ってしまいました。
かなり保温が楽になります。
自分的には画期的ですが、未だマイナーです。
ぜひぜひ参考にしてみてください(^^)
2015-12-18 20:34 るりおかか URL 編集
なるほど~!
素晴らしいですね。
ここ3年ほどオカヤドカリを飼っていますが、ピタリ適温では保温効果があまり出ず、毎冬1~2匹お亡くなりになっていました(現在2匹のみ)。
昨日からこのシステムを導入させてもらいました。ここ数日寒い日が続いていますが、水槽内は快適なようでちょこちょこ動き回っています。
今年は死亡個体がでないような予感がします。
2017-11-24 23:41 通りすがり URL 編集
Re: なるほど~!
こんばんは
ピタリ適温って保温力が低くて困りますよね。
何気に乾燥もするし。
関東以南なら何とか通用すると思いますが、東北以北になると難しいと思います。
この冬、乗り切れるように頑張ってください!
2017-11-28 07:13 るりおかか URL 編集
質問です
オカヤドカリ飼育歴3カ月の者です。
冬に向けて、こちらのウォーターバスを真似てみたのですが、湿度が90%くらいになってしまいます。
よく「飼い方」などでは60~80%を保ちましょう、みたいな事が書いてあるのですが、90%を超えても大丈夫なのでしょうか。それとも私の設置の仕方が間違っているのでしょうか。
教えていただけると嬉しいです。
ちなみに水槽は外側45センチ。内側40センチくらいです。
2019-10-28 11:51 初心者 URL 編集
Re: 質問です
こんばんは
最近は寒いですね~。オカヤドカリもさぞかし・・・
オカヤドカリの飼育で、湿度は大切だと思います。私も湿度計を買い、湿度を管理していたことがありました。その数値にこだわっていた時期もありました。でも、その数値ではオカヤドカリの体調自体は管理できないことが分かりました。湿度計の数値が高くても砂がカラカラ、数値が低くても砂がベチョベチョ。湿度計の数値にとらわれず、オカヤドカリの体調を見定める「目」が大切だと思いました。
ウォーターバス設備は、湿度が上がりすぎることがあります(そのパターンのほうが多いです)。砂がベチョベチョだとまずいです。ある程度砂が乾燥していて、砂表面が乾燥し、少し掘ると湿っているくらいなら、湿度90%でも問題ないです。むしろベストです。問題は数値でなく、水槽内の状態だと私は思っています。もし、全砂がベチョベチョ状態になりすぎたら、湿度計の数値関係なく、砂の全取り換えをお勧めします。私もそうしています。砂が湿っている場所、乾燥している場所、その二つを用意してあげるといいかもしれませんね。
2019-10-28 20:30 るりおかか URL 編集
安心しました
大変参考になるお話をありがとうございます(*^_^*)
砂の状態は今のところ大丈夫そうです。
15年飼育目指して頑張ります!
オジョウさんが元気な姿で帰還しますよう、祈っております。
2019-10-29 10:22 初心者 URL 編集
参考にさせていただきます。
これから、冬にかけてどのように保温していこうか迷っていたところるりおかか様のウォーターバスの記事に辿り着きました。
参考にさせていただきます。
質問なのですが、外側水槽と内側水槽の隙間(温水の入る場所)ははなるべく小さい方が良いのでしょうか?
現在、下記の容器で飼育していますが外側水槽が比較的大きいものしか見当たらず、悩んでおります。
https://amzn.asia/d/c5OqFwv
2022-08-19 22:27 ヤドカリ飼い始めました URL 編集
Re: 参考にさせていただきます。
こんばんは
外側水槽と内側水槽の大きさの差は、小さいと外観が良くなることと、蓋の作成が楽になるという理由で、小さい方をお勧めしました。それに我慢できれば、大きさに差があっても全く問題はありません。リンクはだいぶ以前に作成したので、うまくページがとばないようになっていますね。
最近は観賞魚用ヒーターが大きくなっているようなので、水槽の大きさの差があまりに小さいとヒーターが入らないようです。なので、ある程度差があった方がかえっていいのかもしれませんね。
2022-08-20 23:48 るりおかか URL 編集
ヒーターについて
防寒対策について色々ググッていたら、るりおかかさんのこの日記にたどり着きました。今年の冬に向けてウォーターバス早速私も真似てみようと色々買い揃えているところです。
るりおかかさんがお使いのヒーター、出力は100Wのものでよろしいでしょうか??
W数が小さいものだと、上手く保温できない感じですかね??
教えていただけたら幸いです。
2023-06-04 12:44 さくさく URL 編集
Re: ヒーターについて
こんばんは
ヒーターですが、私のように45cm水槽をウォーターバス形式にする場合、一番小さいヒーター(最近のは50Wかな?)くらいのもので火力は十分です。60cm水槽でも、たぶん50Wのものでいけると思います。水槽に水をなみなみ入れるわけではないので、温める水の量は極めて少ないので、ヒーターは弱くても問題はありません。
ぜひぜひ飼育頑張ってください(^^♪
2023-06-05 23:11 るりおかか URL 編集